高音質化技術『SOUND-X』

− CDやYoutube,MP3などの音を改善する技術 −


CDやDVD、Youtubeをはじめとした音の情報は、通常16KHzまでの帯域に制限された圧縮音源になっています。 一方、自然界では22KHz以上の音は多く存在しており、22KHzに制限された音は、データ量を小さくできる反面、音質が劣化する問題を抱えています。
そこで、この欠点を改善するため、最近のオーディオ機器は、音を再生する能力を22KHz以上に改善させたハイレゾ音源として22KHz以上の音楽ソースや再生機を販売しています。

しかし、ハイレゾの音楽ソースは比較的非常に少なく、今現在の主流はやはりCDやYoutubeなどが中心です。 キットヒット社の「SOUND-X」では、22KHzに帯域制限されてしまった音を拡張させる技術を開発しました。


そして、拡張技術にデジタルとアナログ技術を融合させ、 300KHz以上までに拡張させることに成功しました。

この周波数帯域は、従来の高速DSPでも実現が困難な帯域です。 これによって、CDやoutubeなどの音を原音に近い自然な音へ音質改善します。

補間原理

一般的に、音楽の信号源となる、声(ボーカル)や楽器のほとんどは、基本的なベースとなる周波数(基本波)と、その周波数から派生する高調波で構成されており、 その高調波は、一種の共振フィルターの様なもので音色が決まり、音波として発生しています。
つまり、欠落した高域音の予測には、この高調波成分を正確に予測することを要求されますが、音楽信号の場合、一度に複数の楽器や音声が混ざり、一般的には予測ができませんでした。
しかし、私達の音の研究から、複雑な音楽信号であっても、その音の包絡成分を解析することで、人間にとって非常に心地よい高調波補間ができる事を発見しました。
これは、人は音楽を楽しむ場合、基本周波数や高調波といった信号成分を聴いているのではなく、音の全体的な「リズム感」と「音色」を併せて楽しんでいる事に起因します。
私達は、波形の包絡成分から、音の倍音成分を計算する画期的なアルゴリズムを発明し、音質評価を繰り返し行い、製品化レベルまで完成度を高めました。

一方、他社の高域補間技術では、処理の全てをDSPなどによるデジタル信号処理で行っています。 この場合、補間帯域はDSPの処理速度によって決まってしまい、50KHz程度までの高域補間が限界です。
私達は、この限界帯域を超えるためにアナログ技術とデジタル技術を融合させ、世界初の1000KHzまでの補間帯域を実現させることに成功しました。

図1は信号処理の内容を簡単に示したフロー図ですが、薄緑の枠の処理がデジタル信号処理の部分で、ピンク色の枠の処理がアナログ処理となっています。
特にデジタル処理の部分は、低消費電力型のRISC型プロセッサを使用することで、雑音の発生を極力抑えることに成功し、アナログ回路では補間帯域を約1000KHzといった脅威の性能を実現しました。

しかし、高域補間には大変な技術課題があります。それは、高域補間を行うことで音楽信号のエネルギーが高域側へ移行することになります。
つまり、音質的な観点から言えば、音楽信号のバランスが悪くなってしまいます。
私達は音質評価を繰り返す中、この問題点を見つけ解決するために、図1にある高域補間の状況に応じて低域のパワーを制御し、音質面においても非常に良いバランスを保ち、音質改善を図りました。
また、音源によっては高域補間量も制御することで、さらに音質バランスを安定化しています。

この技術で、音質を飛躍的に向上させることに成功し、各方面から注目を集め、高級音響製品から携帯電話に至るまで、多くの製品に(OEM)搭載されています。

図1 高域補間「SOUND-X」の信号処理内容

インテリジェンス補間機能 (特許申請中)

高域補間技術は、欠落して全く無くなってしまった信号を予測して波形を生成します。よって、劣化した音楽信号を完全に元の波形に復元させることはできません。
場合によっては、予測が大幅に外れ、補間した信号を追加することで音質を劣化させる場合もあります。
「SOUND-X」は、この様な音質劣化の問題を改善させるために、音質が劣化しそうな場合には、あえて高域補間の量を小さくする技術が搭載されています。
この技術によって、どの様なジャンルの音楽でも高域補間の効果を最高の状態で楽しむことを可能にしました。

− 高音質音楽ソースへの対応 −

既に高域補間を必要としない音楽ソース(例えばSACDなど)は、この機能により、高域補間量を抑制しますので、音質への影響を最小限度に抑えることができました。
さらに、高域補間の音質バランサーは動作していますので、高域をさらに強調させ、鮮明で、より自然な音に改善することができます。(※1)

※1:高域補間の音質バランサーは音色を制御しますので、原音とは異なった信号を出力します。
原音を忠実に再生する場合には、高域補間機能(インテリジェンス補間機能)をOFFにして下さい。

音質評価

「あとから処理をして音質改善する技術」に関しては、実際に自分自身で体験しないと分からない、という意見があることは否めません。
また、欠落して無い情報を完全に再現することは理論上、不可能です。しかし、欠落した音を原音に近づけることで、音質を改善させることは可能です。
私達は、従来のCD音源を少しでも良い音で楽しんで頂けるよう、開発を進めています。

そこで、このようなご要望に対応するため、SOUND-X技術を搭載したヘッドフォンアンプの販売を開始致しました。
もちろん高域補間のみの出力端子(Line OUT)も備えており、ヘッドフォン以外に、パワーアンプへ接続して、スピーカーでも高域補間された音楽を楽しむことができます。
このアンプを通してCDの音を聴けば、SACDに近い自然な音へ再現します。
ぜひ、300KHzの広帯域な高音質オーディオを体感してみてください。

※ご使用するヘッドフォンは、少なくとも22KHz以上の周波数特性のある物をお使いください。

Fig2 Before interpolation

図2 CD音楽コンテンツを再生した例で、22KHz以上の帯域が欠落しています。

図2は、CD音楽を再生させ、その出力信号をFFTアナライザで周波数解析した結果です。 CDはサンプリング周波数が44.1KHzと規格により決まっているので再生できる周波数帯域は、22KHzまでに限定されます。
よって、22KHz以上の音が全く無い状況となり音質が劣化してしまう原因の1つになります。

Fig3 After interpolation

図3 「SOUND-X]により高域補間され、22KHz以上の高音域を補間しています。

図3は、CD音楽信号を「SOUND-X」技術により高域補間を施した音楽信号をFFTアナライザで周波数解析した結果です。
22KHzまでに制限されいたCDの帯域が、約50KHz程度まで拡張されていることがわかります。 特に高調波の予測は、本来存在している高調波から生成しているので、補間後の波形も滑らかにつながり全く違和感の無い音を再現しています。